2007年04月07日(土)
男の子の漫画コーナー
商人の町大阪を舞台に、マチ金(消費者金融)会社「帝國金融」の営業マン灰原達之と、借金にまつわる因業深い人間模様を描いた作品。連帯保証人になった彼氏の借金の肩代わりをしてソープ嬢になる女、ご祝儀を盗まれてしまい穴埋めに奔走したあげく取り込み詐欺に手を出し破滅する男、詐欺的先物取引で全てを失った小学校教頭、法律の網の目をかいくぐる闇金融業者更にはライバル企業との対決など、様々な人間の裏表や社会の不条理を描く。青木雄二の独特なアクのある絵が読者に強いインパクトを与え、人気作となった。
作中では舞台となった大阪に合わせ大阪弁や、「難波」の猥雑な雰囲気が違和感なく取り入れられている。また区名や番地などは、893 = ヤクザであったり、独特の名づけられ方がなされているのも特徴。看板だけでなく人名の名付け方にも猥雑な文字列を容赦なく多用しており、この演出を適用されていない帝國金融の社員たちが逆に清潔に思えるほどである。
街金の看板に「ニシキヘビファイナンス」
ミナミのセンズリこと銭田掏二朗
バブル景気で一山あてた肉欲企画の社長が肉欲棒太郎
一流企業「巨大長商事」の社長が巨根三郎
これらは生の修羅場を容赦なく活写することへの青木の強いこだわりの賜物である。ヒントは『罪と罰』。表向き綺麗な看板でも現実にしていることは薄汚いことを主張するため、逆に作中の看板には猥雑な文字列を堂々と使用しているのである。しかし『BSマンガ夜話』で取り上げられた際に、看板の映ったコマを(画面に映し出すことは問題なかったものの)出演者同士で「あまり口に出して読まないように」と互いに注意した逸話がある。
当初、純朴な青年であった主人公が様々な出来事に揉まれ、たくましく成長する様子を描いた一種のビルドゥングスロマンともいえよう。なお、作者が監修を担当した作品『カバチタレ!』とは、同じ世界に存在する地続きの作品である。
哭きの竜
鳴き麻雀を信条とする竜と、竜の強運を追い求めるヤクザたちの織り成す人間模様を、ナレーション風の状況説明「のちに述懐す…」や印象的なショットの連続で描いた作品である。
通常、麻雀は“鳴く”と役(ハン数)が減るため基本的には不利なのだが、本作の主人公「竜」は意外とも思える“鳴き”で手役を完成させていく・あるいは相手からの捨て牌で見事にアガるという、ドラマチックな展開が見せ場のひとつとなっている。
これまでの麻雀劇画の流れを大きく変えた作品であり、アニメ化、実写化もされた。
2005年、竹書房の麻雀漫画雑誌「近代麻雀」誌上で、続編となる『麻雀飛翔伝 竜・外伝』が連載開始された。本作の10年後を描いたもので、死んだと思われた竜とおぼしき人物が登場し、またもやヤクザらの竜争奪戦が勃発、というストーリーである。
数々のインパクトのある名台詞を残し、麻雀漫画、ゲーム、同人誌等ではよくパロディとして使われる。コミックマーケット67で販売された、ナースウィッチ小麦ちゃんマジカルてのPCソフト(ドンジャラ)は「哭きの麦-惰性の闘牌-」というそのまんまのタイトルであったため、各方面から反響があった。
また、2003年から2004年にかけて近代麻雀にて連載された「覇王 Mahjong King Fighters」という漫画には(C)能条純一との表記がある「本物の哭きの竜」が登場し、おなじみの名セリフや闘牌を繰り広げて話題となった。
2006年にはテレビアニメ・スクールランブルの中でも、カードゲームの一種・大貧民をたしなむ彼らに対し、この漫画での描写がパロディとして用いられた。
モッちゃん
俺が打とう。おまえの金で。

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コメント
お楽しみいただけて何よりです。またぜ?.. 
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